犯罪者を監視する看守という仕事。元看守の監督だからこそ捉えられたその重責と苦悩。
アリー・ムルチバ監督が、かつて働いていた刑務所の看守チームの仕事に密着したドキュメンタリー作品。約1000人もの受刑者を受け持つ男女28人の看守チームを率いるリーダーの仕事や生活を捉えていくうちに、刑務所という閉鎖的な空間で重大な責任を担い命の危険にさらされることもある、看守という役割の厳しさを浮かび上がらせる。刑務所を知り尽くした監督ならではの視点は、日本でも知る機会の少ないブラジルの刑務所内の様子をリアルに伝える貴重な作品。「人々」や「私たち」という意味を持つ映画の原題「A Gente(ア・ジェンチ)」は、看守を意味する言葉「Agente(アジェンチ)」にかけられている。